TEL.096-353-4941

2023.07.20

馬肉の旨みの特徴【馬の部位・種類・産地による味の違いを解説】

馬肉の特徴は、さっぱりした旨みとほのかな甘みです。
他の食肉と違い脂の融点が30〜43℃と低く、口の温度でも溶け出します(牛脂の融点は40~50℃)。
脂身が口に残らないので、しつこさやくどさを感じません。

もうひとつの特徴は、肉自体に甘みがあること。
牛肉の3.5倍以上のブドウ糖を含んでいるため、ほのかに甘いのです。

この記事では「馬肉の特徴や味」について、詳しく解説します。
馬肉を食べたことない人でも、理解しやすい内容です。

最後まで読むと、食べたことない馬肉の味を鮮明にイメージできますよ。

馬肉の旨みの特徴【他の食肉との違い】

馬肉の特徴は、さっぱりとした脂の旨みとほのかな甘みです。

糖質の一種である「グリコーゲン」が他の食肉よりも豊富なため、肉自体に甘みがあります。
脂がさらりと溶けていくので、脂っぽさがまったくありません。馬刺しで食べると、馬肉の旨みや甘みがよくわかります。霜降りと呼ばれる部位には脂のサシが入り、赤身には適度な弾力があるのも特徴です。

他の食肉と比べて低カロリー・高タンパク質で、カルシウムや鉄分などを多く含んでいます。

エネルギータンパク質カルシウム鉄分
馬肉102kcal20.1g11mg4.3mg
牛ヒレ肉(和牛)207kcal19.1g3mg2.5mg
牛ヒレ肉(国産)229kcal19.0g4mg2.7mg
牛ヒレ肉(輸入)123kcal20.5g4mg2.8mg
豚ヒレ肉118kcal22.2g3mg0.9mg
豚ヒレ肉(黒豚)105kcal22.7g4mg1.2mg
鶏むね肉133kcal21.3g4mg0.3mg

参照:食品成分データベース|文部科学省

https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

馬肉の特徴を部位ごとに解説【おすすめの食べ方も紹介】

馬肉には「ふたえご」「たてがみ」など、馬にしかない部位が存在します。
同じ部位でも独特な呼び方をするため、どんな肉かイメージしにくいかも知れません。

購入時に迷わないように、部位の名前と味の特徴だけでも覚えておきましょう。

赤身と霜降りの違い

馬肉の部位は旨みが強い赤身と、脂のサシが入った霜降りに大きくわかれます。
味の特徴は下記のとおりです。

【赤身の特徴】

  • あっさりしつつも旨みは濃い
  • 弾力はあるがやわらかい

【霜降りの特徴】

  • 脂があっさりして甘みが強い
  • 弾力はないがとろける食感

現在は、赤身肉に液状の馬の脂を入れた「馬脂肪注入冷凍馬刺し」も流通しています。
高価な霜降りを手頃な値段で味わえるよう開発されました。
販売時は表示が義務付けられているので、気になる場合は確認してから購入しましょう。
ちなみに肉の大栄では「馬脂肪注入冷凍馬刺し」は取り扱っておりません。

部位ごとの特徴|12種類一覧

肉の大栄で現在取り扱っている12種類の部位を、一覧表にまとめました。
時期や馬の発育状況によって揃える部位は異なりますが、厳選されたものばかりです。

部位特徴(肉質や旨み)
モモ脂が少なく歯ごたえがある部位で、赤身肉の旨みがダイレクトに伝わる。
ヒレ赤身の最上級部位で、抜群のやわらかさが特徴。
霜降り脂が多い部位で、サシが細かいほど高級。さっぱりした脂の旨みが特徴。イチボ・カイノミ・バラウスと呼ばれる部位から霜降りとしてサシが入っている箇所を霜降りとして販売。
中トロ旨みと甘みを併せ持つ部位で、赤身と脂のバランスのよさが特徴。主にショウオビという部位にて取り扱います。
大トロ1頭からわずかにしか取れない希少部位。きめ細かいサシと上品な脂の旨みが特徴。ダイオビと呼ばれる部位を使用。ダイオビを仕入ても大トロとして認定されるには馬肉担当の厳しいチェックを通して合格したごく一部の馬刺ししか当店では大トロとして販売されません。
ふたえごお腹周りにある馬肉特有の部位で、赤身と脂が縞模様になっている。コリコリした食感が特徴。薄くスライスして食べるのがオススメ。
たてがみたてがみ部分の皮下脂肪で、コラーゲンが豊富。プリっとした食感が特徴で、赤身と一緒に食べると旨みが倍増する。
ラムモモの一部でお尻からわずかにしか取れない部位。やわらかく、薄く霜降りが入る場所でもあります。肉の大栄のモモは柔らかいラムしか取り扱っておりません。
カルビアバラ骨周辺の部位。適度な脂があり、加熱することでとろける食感と赤身の旨みが味わえる。
馬ヒモアバラ骨の間の部位。独特の弾力が特徴で、噛むほどに旨みと甘みがあふれる。牛肉では中落カルビとして焼肉で人気の部位と同じ部位です。
馬ホルモンおもに小腸や大腸などを指し、牛ホルモンと比べて厚みがある。小腸は脂が多く煮込み料理におすすめ。大腸はコジュツとも呼ばれており歯ごたえがあるので焼いて食べるのがおすすめです。
馬すじ筋や腱(けん)が付いてる部位。硬い肉質だが、煮込むことでトロトロの食感になる。熊本では牛スジの代わりに馬すじをおでんに入れる家庭が多いです。

おすすめの食べ方と適した部位を紹介

馬刺し以外の食べ方なら、焼肉・鍋や煮込み・肉寿司がおすすめ。

  • 焼肉におすすめの部位:カルビ・ヒレ・馬ヒモ・馬ホルモン(大腸、コジュツ)など
  • 鍋や煮込みにおすすめの部位:霜降り・中トロ・大トロ・馬すじ
  • 肉寿司におすすめの部位:モモ・ヒレ・霜降り・中トロ・大トロ

脂が多い部位は加熱しても硬くなりにくいため、焼肉に向いています。
焼きすぎないように、サッと表面を炙る程度に火を通すのがコツ

脂と赤身のバランスがいい中トロは、定番の桜鍋以外にしゃぶしゃぶすき焼きにしても美味です。

流行りの肉寿司も、馬肉を使えば家庭で手軽に食べられます。
マグロ寿司のように、赤身(モモ・ヒレ)やトロの食べ比べはいかがですか?

馬の種類や産地で異なる馬肉の特徴【旨みや肉質の違い】

馬肉用の馬は他の家畜と同じように、最初から食用として育てられます
引退後の競走馬や、死んだ馬が食用馬肉に回されることはありません。

純粋な日本の在来馬は数が少なく、流通する馬肉のほとんどが海外からの輸入です。


食用馬肉になる馬の種類

馬は体格に応じて、大きく2種類にわけられます。

【軽種馬】

体重600㎏前後で出荷され、小型でスリムな種類です。
競走馬で有名なサラブレッドは、軽種馬に含まれます。
軽種馬を使う会津産の馬肉はほぼ赤身で、きめ細かな肉質が特徴です。

【重種馬】

体重800㎏ほどで出荷され、体が大きく力も強い種類です。
農耕馬として肥育されることが多く、最大で体重1トンを超えます。
熊本産の馬肉は重種馬で、桜色の見た目とキレイな霜降り(サシ)が特徴です。

軽種馬と重種馬を交雑させた「中間種馬」という種類もあり、両方の性質を併せ持っています。

産地で異なる旨みや肉質

育てる気候や風土によっても、馬肉の味や肉質は変わってきます。
馬肉の産地として有名なのは熊本県と福島県で、大きな違いはサシの量です。

熊本県産の馬肉はとろける食感と濃厚な旨みが特徴で、上質なサシが多く入っています。
福島県会津産の馬肉はもっちりした食感と淡白な味が特徴で、サシはほとんど入りません。

どちらが美味しいかは、好みによります。
濃厚な霜降りを味わうなら熊本産、あっさりした赤身を楽しむなら会津産がよいでしょう。

外国産と国産の違い

輸入される馬肉にも2種類あります。

  • 生体輸入:国内で肥育・屠畜(とちく)されたもの
  • 食肉輸入:海外で肥育・屠畜されたもの
    ※屠畜とは、家畜を食肉用に解体すること

馬刺しの本場・熊本で主流なのは、生体輸入です。
肉の大栄の馬刺しもすべて生体輸入された馬を国内である一定期間肥育して肉質を整えた馬肉だけを取り扱っております。
輸入の馬肉でも海外で肥育された期間より日本で育てた期間の方が長ければ、国産と表示できます。
つまり、産地だけでいえば、外国産と国産の違いはほとんどありません。

味の違いが出るのは、馬の種類(品種)と育て方。
軽種馬か重種馬かで脂の量や肉質が異なり、与える餌によって肉の風味が変わってきます
外国で生まれた馬でも日本の風土で大切に育てるからこそ、上品な旨みになるのです。

肉の大栄では3品種を交雑させた、フランス産の最高級重種馬を使用。
試行錯誤の末に辿り着いた馬で、最高の馬肉といわれています。
穀物飼料で育てる画期的な肥育方法で、丁寧に育てた馬肉です。

馬肉のよくある質問

【どうして馬肉は生食できるの?】

主な理由は3つです。

  • 体温が高いため、寄生虫が活動しにくい
  • 反芻(はんすう)をしないため、O157などの細菌が繁殖しにくい
  • 冷凍処理が義務付けられているため、寄生虫を完全に死滅させられる
    ※反芻:一度飲み込んだ食物を口中に戻し、よく噛んでから再び飲み込むこと

【馬肉はヘルシーって本当?】

低カロリー・高タンパク質な馬肉は非常にヘルシーで、食事制限されている方にもおすすめです。

馬肉の購入はネット通販が便利

馬肉は、今でも生食できる貴重な食肉です。

加熱していないぶん、肉の旨みや甘みがダイレクトに伝わります。
低カロリーで高タンパク質な馬肉は、ダイエットや筋トレ中の人にもおすすめ。

肉の大栄では、各種馬刺しをはじめ馬焼きセットや桜ユッケなど、豊富なラインナップを用意しています。
職人の確かな目利きで良質な馬肉を盛り合わせた「ギフトセット」もあるので、初めての人でも安心です。

肉の大栄カタログギフト

肉の大栄 オンラインショップへ