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2024.02.21

ユッケはなぜ生で食べれる?馬肉が安全な理由やおすすめの食べ方も紹介

ユッケは生のまま調理された肉を使った料理ですが、加熱していないのになぜ食べれるのか疑問に思う人もいるでしょう。

この記事では、ユッケに使われる肉の種類や、生肉の安全性について解説しています。また、ユッケに馬肉がおすすめな理由と馬肉の特徴について、詳しく紹介しています。

ユッケをまだ食べたことがない人も、この記事を読んでユッケにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

そもそもユッケとはどんな料理?

ユッケは韓国料理のひとつで、生肉を使ったメニューです。細切りにした生肉を皿に盛りつけ、タレや薬味、卵黄と一緒に混ぜて食べます。

タレには、おもに醤油やごま油、砂糖などが使われます。薬味としては、ネギやニンニクが一般的でしょう。とろけるようなやわらかい食感と、濃厚な味わいで、いちど食べるとクセになるという人も多いです。

ユッケは焼肉屋などでは定番のメニューですが、家庭の食卓にはあまり出てこない料理でしょう。

ユッケに使われる肉は、牛肉や馬肉の赤身がメジャーです。脂の多い部位は冷えると脂が固まってしまうため、冷たい状態で提供されるユッケには向いていません。脂の少ない赤身を使うことで、ユッケのやわらかい食感を出せるのです。

ユッケは販売禁止?

2011年にユッケが原因となって起こった集団食中毒事件を機に、一時期はユッケの販売を中止する店が多くありました。

そのことを知っている人は、ユッケが今でもなぜ食べれるのか疑問に感じているのではないでしょうか。

ユッケが現在でもなぜ食べれるのかというと、生食用の肉には明確な衛生基準が設けられていて、基準を満たしていれば生食用の肉を提供できるからです。

食中毒の原因となる菌は、牛や豚などの腸管にひそんでいます。家畜を食肉として解体するときに、これらの菌が肉の表面に付着することがあり、そのまま加熱せずに食べてしまうと食中毒を起こす可能性があります。そこで、適切な方法で管理された肉の表面を削ぎ落とし、滅菌した状態であれば、生でも提供できると定められました。

生食用食肉の規格基準は、焼肉店や居酒屋などその場で料理を提供する店舗だけでなく、ネット販売の店舗にも適用されます。食肉を生で提供するには、厳しい基準をクリアする必要があり、温度管理のための設備や専用の調理器具も用意しなければなりません。生食用食肉の提供を許可された店には、確認済証が掲示してあるので、購入前にチェックしましょう。

生食できるお肉の種類は?

牛肉は、生食用食肉の衛生基準を満たしていれば、生のままで食べられます。ユッケには牛肉が使われていることが多いですが、部位としてはモモ肉がよく使用されています。

ただし、牛のレバーを生で販売したり提供したりすることは禁止されていて、加熱用または加熱処理したレバーしか販売できません。

生の牛レバーの内部には腸管出血性大腸菌などが存在し、食中毒を引き起こす可能性があるため、一般の消費者にも「牛レバーは生で食べず、よく加熱すること」が推奨されています。

九州の一部地域には、鶏を「鶏刺し」や「鶏タタキ」として生で食べる慣習がありますが、鶏肉にはカンピロバクターという細菌が付着していて、食中毒を起こすリスクがあり、注意が必要です。

生食用の鶏肉について、独自の衛生基準を設けている自治体もあり、安全に食べられるように加工や処理、保存方法が細かく指定されています。

豚の生食は、サルモネラ属菌やカンピロバクターによる重い食中毒のリスクや、E型肝炎ウイルスの感染を引き起こす可能性がとても高く、豚の肉や内臓を生食用に販売することは禁止されています。

E型肝炎は劇症化することもあり、とくに注意が必要です。食べるときはしっかり火をとおして、食中毒対策をしなければなりません。

馬肉には生食用の衛生基準が定められていて、基準にしたがって加工・調理された馬肉は、生の状態で提供可能です。

馬肉が安全な理由は?

ユッケを食べてみたいけれど、食中毒が心配で食べたことがないという人もいるのではないでしょうか。

馬肉はほかの種類の肉に比べて安全性が高いといわれていて、初めてユッケを食べる人におすすめです。馬肉が生でなぜ食べれる肉なのか、その理由について解説します。

体温が高く食中毒になる菌がほとんどいない

馬肉の特徴のひとつとして、馬は牛・豚・鶏に比べて体温が高く、菌が繁殖しにくいという点があげられます。

牛・豚・鶏は体温が35℃程度で、腸管出血性大腸菌やカンピロバクターなど、食中毒を起こす菌を腸管内に保有しています。しかし、馬は体温が約40℃で、体内にこれらの菌がほとんどいないのです。そのため、馬肉は生で食べてもほかの肉より安全性が高いといわれています。

生食に向いている肉とはいえ、処理の過程や調理中に人を介して菌が付着する可能性はあります。

生の馬肉を提供する店舗は、厚生労働省が定めた「生食用食肉の衛生基準」にしたがって、適切な方法で表面のトリミングや調理器具の洗浄、食中毒の原因となる菌がいないかどうかの検査などをおこなわなければなりません。

冷凍でさらに安全

馬肉は生でも比較的安心して食べられるといわれていますが、ザルコシスティス・フェアリーという寄生虫に注意が必要です。

ザルコシスティス・フェアリーは、馬や犬に寄生している寄生虫で、馬の筋肉の中に存在します。人の体に寄生することはありませんが、ザルコシスティス・フェアリーが多量に含まれた馬肉を人が食べると、軽度の下痢や嘔吐といった食中毒症状を起こすことが知られています。

ザルコシスティス・フェアリーを死滅させるには、馬肉を冷凍することが有効な手段です。肉の中心温度がマイナス20℃になる状態で冷凍し、48時間以上キープすることが、食中毒を予防する条件となっています。

ネット通販で販売されている生食用の馬肉は、1パックあたり50g程度に小分けされているケースが多いですが、これは解凍後にすぐ食べきれる量にすることで、消費者が安全に食べられるように配慮されたものです。

馬肉はダイエット向きの食材でもある

馬肉はクセが少なくあっさりとしていますが、肉質がやわらかくコクのある味わいが人気です。

馬肉が注目されるもうひとつのポイントは、ダイエットをする人に向いている食材だということです。なぜ馬肉がダイエット中の人におすすめなのか、その理由について解説します。

馬肉の特徴は?

馬肉は臭いのではないかというイメージをもっている人もいますが、生でも臭いはそこまで気にならず、むしろ牛や豚の肉より好きだという人が多いです。

馬肉の大きな特徴は、低カロリーなのにタンパク質が豊富だという点です。ダイエットをするときに食事量を少なくすると、摂取カロリーは減りますが、同時にタンパク質が不足して筋肉量が落ちます。

そうすると、基礎代謝が低下して消費カロリーが減り、結果的に太りやすくなってしまうのです。ダイエットを成功させるには、タンパク質をしっかり摂りつつ、低カロリーな食事を心がける必要があるでしょう。

馬肉のカロリーを、牛や豚と比較してみます。馬肉の赤身は、100gあたりのカロリーが102kcalです。それに対して、牛の赤身(モモ)は100gあたり176kcal、豚のモモ肉は100gあたり171kcalとなっていて、馬肉のほうがカロリーが低いことが分かります。

低カロリー高タンパクな食材として知られている鶏のササミが、100gあたり98kcalなので、馬肉のカロリーは鶏ササミに近い数値です。

馬肉に含まれるタンパク質については、100gあたり20.1gとなっています。鶏ササミのタンパク質量は100gあたり23.9gで、それよりは少ないですが、消費者庁が定める高タンパク質の基準が100gあたり16.2gであるため、十分なタンパク質量を含んでいます。

主な栄養素は?

馬肉は、さまざまな栄養素をバランスよく豊富に含んでいます。まずは、ビタミン類に注目してみましょう。

馬肉は牛や豚の肉に比べて、ビタミンB12の含有量が豊富です。ビタミンB12は、神経の働きを正常に保ったり、新しい血をつくりだしたりする働きのある栄養素です。ほかにも、目や粘膜の健康を維持するビタミンAや、抗酸化作用のあるビタミンEが、牛肉や豚肉よりも多く含まれています。

カルシウム量は馬肉が100gあたり11mgなのに対して、牛モモ肉と豚モモ肉はいずれも4mgで、馬肉のほうが2倍以上の含有量です。

鉄分量に関しても、馬肉は100gあたり4.3mg、牛モモ肉は2.8mg、豚モモ肉は0.7mgとなっていて、馬肉には牛肉や豚肉よりも多くの鉄分が含まれていることが分かります。鉄分は、月経なしの女性で1日6.5mg、男性は7.5mg摂取することが推奨されているため、馬肉を100g食べれば1日の摂取基準量の半分以上を摂れるでしょう。

ユッケのおすすめの食べ方は?

安全な馬肉のユッケは食べてみたいけど「どの部位の馬肉がいいのか」迷う方もいるでしょう。初めて家庭でつくるならまずはユッケ用としてカットされているものがおすすめです。慣れてきたら好きな肉質の馬刺しを自分で調理してみましょう。

初心者ならユッケ用馬刺しに専用タレが楽

肉の専門店では、馬刺しやユッケ用の馬肉が販売されています。馬刺しをユッケとして食べるなら自分でカットする必要がありますが、ユッケ用の馬肉は細切りにした状態でパックされているので、カットする手間がかかりません。

ネット通販の場合は、馬肉が冷凍された状態で届きます。食べる直前に解凍しますが、電子レンジで加熱するのは避け、パックごと氷水につけて解凍しましょう。

流水にさらしても解凍できますが、水の温度が高いと馬肉の色が変わってしまうことがあるため、注意してください。氷水で解凍したほうが、きれいな肉の色をキープできます。

氷水に浸してから5分から10分で解凍されるので、馬肉をパックから出してボウルなどに移し、ユッケのタレと合わせます。皿に馬肉を盛りつけたときに中心を少しくぼませると、卵黄をのせやすいでしょう。仕上げに薬味として小口ネギやしょうがをトッピングして、完成です。

ユッケに合わせるタレは、ショップで販売している専用のタレを購入すると、本格的なお店のような味わいを楽しめるでしょう。

中級者なら好みの馬刺しを選んで自分でカット

ユッケには一般的に赤身の肉が使われますが、赤身のユッケに慣れたら、違う部位の肉でユッケを味わってみてはいかがでしょうか。

馬肉の赤身は肉の質感がしっかりとしていて、コクのあるうまみが特徴です。それに対して、霜降りと呼ばれるサシの入った馬肉は、白い脂肪の部分に強い甘みがあり、赤身の間に入っているサシが細かいほど、質がよくおいしいといわれています。

その甘みのもとになっているのは、グリコーゲンという物質で、馬肉にはグリコーゲンが豊富に含まれています。馬の脂は、口の中に入れたときに体温で溶ける性質をもっているので、しつこさはありません。馬肉は赤身もやわらかいですが、霜降りはさらにやわらかく、うまみが凝縮されています。

つづいて、馬刺しをユッケとして家庭で調理するときの手順を紹介します。馬刺しは食中毒防止のために冷凍で販売されているため、調理を始める前に解凍しておきましょう。

冷凍されている馬刺しの塊肉は、氷水で解凍します。氷水を張ったボウルに馬刺しのパックを入れたら、10分くらいで取り出してください。

この時点では塊肉の表面だけ溶けて、内部はまだ凍っていますが、完全に解凍してしまうとドリップとともに肉のうまみも流れ出てしまうので、半解凍の状態でOKです。

馬刺しを解凍できたら、ユッケ用にカットしていきましょう。馬刺しは薄切りが基本の切り方ですが、半解凍だとスライスしやすいため、きれいにカットできます。肉の繊維を断つように薄く切ってから、細切りにカットします。

上級者はタレや薬味を自分好みで

市販のタレに飽きてきたら、自分流にアレンジしたタレでユッケを楽しむのがおすすめです。ユッケの基本となるタレは、コチュジャンに醤油、にんにく、ごま油を加えます。

にんにくは、生のものをすりおろすと強い香りを出せますが、市販のチューブにんにくを使っても大丈夫です。そのほかに、酒や砂糖、オイスターソース、甜面醤などを足すと、また違った味わいになるでしょう。

家にコチュジャンがなくても、焼肉のタレがあればユッケ用のタレにアレンジできます。焼肉のタレにはいろいろな調味料が入っているため、にんにくの入った焼肉のタレに砂糖やゴマ油を追加するだけで、ユッケのタレになります。

和風のタレにするなら、めんつゆをベースに調合してみましょう。めんつゆにしょうが、砂糖、にんにくなどを入れたタレを和えれば、ユッケが和風に変身します。

薬味でアレンジを加えるときは、松の実や糸唐辛子がおすすめです。馬刺しには大葉やカイワレ大根、オニオンスライスを添えることがあるので、ユッケにも合うでしょう。

いろいろなタレの調合や薬味のバリエーションを試してみて、自分好みのユッケの食べ方を見つけてみてください。

ここまでユッケが生で食べれる理由やおすすめの食べ方を紹介しましたが、こちらでは馬刺しの賞味期限について解説しています。おいしく食べる解凍方法も紹介しているので合わせてご覧ください。

まとめ

ユッケは肉を生のまま提供する料理なので、食べても安全なのか心配に思う人もいるでしょう。生食用食肉を販売するときのルールに準じて加工・調理された肉は、生でも安心して食べられます。

ユッケにおすすめなのは馬肉です。近くに馬肉を取り扱う店がなくても、近年はネット通販で手軽に購入できるようになりました。

肉の大栄は、大正4年創業の老舗精肉店です。肉の大栄で販売する馬刺しは、職人が厳選した馬肉を熟練の技で一つひとつカットしているため、とろけるようなやわらかい食感が魅力です。

安心・安全な肉を提供するのはもちろんのこと、高品質でおいしい馬刺しを取り揃えており、贈答品としてもご好評をいただいています。肉の大栄では、ネット通販もおこなっておりますので、ユッケ用の馬肉をお求めの際は、ぜひご利用ください。

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