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2024.01.18

馬刺しの賞味期限とは?おいしく食べる解凍方法も解説

スーパーではあまり見かけない馬肉ですが、馬肉専門店や通販では美味しい馬肉がたくさん販売されています。しかし、牛や豚のように広く流通している肉ではないため、賞味期限や保存方法について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、馬刺しの賞味期限や保存方法、冷凍の馬刺しを美味しく食べるための解凍方法について解説します。自宅で馬刺しを楽しもうとしている方は、ぜひ参考にしてください。

冷凍保存の馬刺しの賞味期限

馬肉のメジャーな食べ方に馬刺しがあげられますが、やはり生肉であれば気になるのは賞味期限ではないでしょうか。大切な記念日にいただく馬刺しや、お店で提供したり情報を共有したりする場合は、より詳しい情報が気になることもあるでしょう。

ここでは、冷凍保存されている馬肉を馬刺しといていただくときの、賞味期限について解説します。

冷凍の馬刺しの賞味期限とは

冷凍した馬肉の日持ちは、冷凍保管で1ヶ月ほどです。保存環境にもよりますが、長いものであれば6ヶ月ほど保管できる馬刺しもあります。

しかし、冷凍保存の賞味期限は低温状態が保たれていることが条件です。家庭の冷凍庫は頻繁に扉が開閉されるため外気に触れやすく、温度が変化しやすくなっています。賞味期限内でも、可能な限り早めに食べたほうが美味しくいただけるでしょう。

また、美味しい馬刺しは、豊富に含まれているグリコーゲンを逃さないよう、新鮮なうちに冷凍加工されています。さらに、ドリップ(肉汁の漏れ)を防止する特殊加工紙などが使用されていると、開封される直前まで素材の持ち味そのままに保管できるため、商品を選ぶときにチェックしてみてください。

馬肉はなぜ生で食べられる?

馬肉はほかの肉類に比べて安全性が高い生肉といわれ、加熱調理をしなくても安心して生食できます。その理由には、馬の体温は40度前後と高めであることと、冷凍処理されていることがあげられます。

馬の体温は牛や豚と比べて5~6度ほど高い40度前後であるため、雑菌や寄生虫が繁殖しにくく、食中毒を引き起こす細菌(O157)も高温な腸内では生きられません。また、生食する前提の馬刺し用の馬肉は、消費者へ提供する前に48時間以上の冷凍処置が義務付けられています。

馬肉以外の生肉の日持ちは?

馬肉は生食でも安全な肉であることが分かりましたが、ほかの肉類の賞味期限はどうなっているのでしょうか。それぞれ賞味期限が異なるため、しっかりと区別して管理・調理するようにしましょう。

ここでは、馬肉以外の生肉の日持ちについて解説します。

牛肉の日持ち

牛肉の日持ちは、部位や形状によっても多少異なりますが、一般的に冷蔵保管で2~3日ほどに設定されています。ブロック肉やスライス肉など加工されていない肉は3日ほど、加工されたひき肉などは2日ほどです。

また、小腸、レバー、タンなどのホルモンは4~5日ほど。少し長めに設定されていますが、できるだけ早めに食べきるようにしましょう。

豚肉の日持ち

豚肉の日持ちは牛肉と同じように、部位や形状によっても異なりますが、冷蔵保管で2~3日ほどに設定されています。ブロック肉やスライス肉は3日ほど持ちますが、ひき肉を含む加工肉は1日と短めです。

大腸、レバー、タンなどのホルモンは、牛肉よりも短い2日ほどに設定されています。牛肉と同じように、できるだけ早めに食べきるようにしましょう。

鶏肉の日持ち

鶏肉はほかの肉に比べて賞味期限が短く、ブロック肉、スライス肉、ひき肉を含む加工肉など販売されている部位や形状に関係なく1日ほどしか持ちません。真空包装すれば12日ほど持ちますが、まとめ買いなどで大量に保管する場合は、冷凍保管し、使う分だけ解凍するのが望ましいでしょう。

また、鶏肉のホルモンは賞味期限に関するガイドラインが定められていないため、それぞれの精肉店が定めた賞味期限が記載されています。

馬刺しの解凍方法は?

馬刺しをより美味しくいただくには、調理方法だけでなく解凍方法にも工夫が必要です。家庭でも簡単にできるおすすめの解凍方法は、冷水解凍。通常の冷蔵庫で解凍するよりも、ドリップ(肉汁の漏れ)・変色が少なく短時間で解凍できるため、ぜひ試してみてください。

ここでは、家庭でも短時間で上手に解凍する方法を解説します。冷凍の馬肉を購入する機会がある方は、ぜひ参考にしてください。

食べるまではしっかり冷凍で保存

生食用の馬肉は、食肉加工後48時間以上の冷凍保存が義務化されています。家庭用の商品として流通するものはほとんどが小分けされているため、その分外気の影響を受けやすく保管環境によっては賞味期限が短くなることもあるでしょう。

食べるまではしっかり冷凍庫で保管し、できるだけドアの開け閉めを減らして温度変化が起こらないようにすると、より鮮度を保ちやすくなります。冷凍なので長期保存は可能ですが、あまりにも長期間入れたままにすると冷凍焼けすることもあるため、1ヶ月以内に食べきるのが理想です。

また、一度解凍した馬肉を再冷凍すると肉質や風味が劣ってしまうため、避けるようにしましょう。解凍するときは食べきってしまうか、小分けになっている馬肉を冷凍しておくのがおすすめです。

氷温でじっくり解凍・半解凍でスライスがポイント

馬刺しとして美味しくいただくためには、食べる直前に解凍するのがおすすめです。解凍してから時間が経つと、うま味が抜けたり、発色が悪くなったり、パサついた食感になったりと、せっかくの馬刺しが美味しくいただけなくなってしまいます。

また、解凍しすぎると薄くスライスするのが難しくなるため、完全に解凍しきらないこともポイントです。中心部に硬さが残る程度であれば馬刺しとしていただくに適した厚みにスライスでき、盛り付けも華やかになるでしょう。

解凍後は真空パックから取り出して、キッチンペーパーで余分な水分をふき取ります。馬肉の繊維を断ち切るように、繊維に対して垂直にスライスすると、馬肉のうま味を最大限に活かした馬刺しを味わえます。

失敗しにくい氷水解凍

大きめのボウルに真空パックされたままの馬肉を入れ、氷を山盛り入れます。その状態のまま冷蔵庫へ入れるか、水を加えて氷水にした状態で約60~90分ほど放置して解凍する方法は、失敗が少なくおすすめです。0度に近い温度で保管することで中心部まで均等に解凍でき、開封後の発色もよくなります。

ただし、季節や馬肉の大きさによって解凍時間は異なります。中心部に少し硬さが残っているくらいがベストな状態のため、実際に手で少し触って確認してみましょう。

時短なら流水解凍

時短で解凍するなら、パックごとボウルに入れ流水にさらしながら解凍する方法がおすすめです。水の温度にもよりますが、およそ5~10分ほどで解凍できるでしょう。

流水で解凍する場合、水温が高い夏場などは流水にさらしすぎて解凍しすぎないよう注意が必要です。馬肉は急激な温度の上昇により、うま味や脂がドリップとして流れ出してしまいます。少し手間はかかりますが、水が温かいようであれば適度に氷を使用し、中心部に硬さが残る程度まで解凍できたら、引き上げるようにしましょう。

熊本で馬刺しが食べられるようになった理由

熊本名物といえば、馬刺しを含む馬肉料理といえるでしょう。熊本では低カロリー・高タンパクで栄養素が豊富な馬肉を、滋養強壮として食されてきました。そんな馬肉は、なぜ熊本名物となったのでしょうか。

ここでは、熊本で馬刺しを含む馬肉文化が盛んになった理由などを解説します。

馬肉はいつから食べられていた?

馬肉を庶民が食べ始めたのは、江戸時代ごろであるといわれています。当時の日本は食料難であり、動物の肉は貴重なたんぱく源でした。しかし、675年に天武天皇により牛・馬・ニホンザル・鶏・犬を食べることを禁止する「肉食禁止令」が施工されたため、2000年以上前にはすでに馬の肉を食べていたことが分かります。

熊本で馬肉を食べる文化が生まれたのはなぜ?

霜降り馬刺しなどが有名な熊本で馬肉料理が広まったのは、当時の熊本藩初代藩主の加藤清正の朝鮮出兵がきっかけであるといわれています。当時の朝鮮半島は食料がなかったために仕方なく軍馬を食べたところ、思いのほか美味しく日本に帰ってからも好んで食べたことが熊本や阿蘇地域を中心に、全国へ広まったという説が有力です。

その後、明治の文化開拓から肉を食べることが普及し、昭和30年代には飲食店でも馬肉が扱われるようになりました。現代では熊本や会津を中心に、食用の馬肉の飼育が盛んにおこなわれています。

馬と人の歴史

馬と人の歴史は、いまからおよそ5000年前にこれまで食料として狩猟の対象であった馬を家畜しはじめたことからはじまります。馬の持久力が運送や移動の手段として利用するようになってから、人は大量の物資を遠くまで運べるようになりました。

人と共に暮らしながら荒地を開拓したり、広い農地を耕作したりと、馬は人類の文明発展に欠かせない存在だったのです。

また、日本の在来馬の起源は、約2000年前の縄文時代にモンゴル高原から朝鮮半島を経由して国内に入り、家畜として飼われはじめた蒙古系家畜馬(もうこうま)にあります。

幸福を呼ぶ左馬(ひだりうま)

馬は古代より縁起の良い動物といわれ、なかでも将棋の駒などにある馬の字を反転させた「左馬(ひだりうま)」は、招福のシンボルとしても有名です。その由来は、馬は右側から乗ると転ぶ習性があるため、かならず左側から乗馬します。このことから「左馬は倒れない」として、福を招くといわれています。

また、馬は神様の乗り物として考えられ、願いを叶える人のもとへ馬に乗ってやってくると考えられていました。そのため、干ばつや雨ごいのときは神様に生贄として馬を奉納していたという記録が残っています。

馬刺しの賞味期限や解凍方法について解説しました。次にこちらでは、妊婦が馬刺しを避ける理由やその危険性についても解説しますので合わせてご覧ください。

まとめ

馬刺しの賞味期限や美味しくいただく解凍方法、馬肉の歴史などについて解説しました。冷凍状態の馬肉は1~6ヶ月ほど保管でき、美味しくいただくには1ヶ月ほどで食べきるのがおすすめです

牛、豚、鶏など、さまざまな食材のなかでも安全な肉といわれている馬肉を、ぜひ家庭でも美味しく味わってみてください。

肉の大栄では、厳しい衛生管理のもと愛情を持って育てた馬を、高い加工技術と職人によるカットで鮮度が保たれたままお客様のもとへ届けています。真空包装後に肉からでる大事なドリップ(肉汁の漏れ)を予防する特殊加工紙を使用するなど、その日のうちに冷凍加工するなど品質管理を徹底。どこよりも生産ラインの衛生管理をおこなっている、肉の大栄の馬肉をぜひご賞味ください。

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