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2024.02.27

馬刺しの味は?和牛との違いや栄養素も解説!

普段、日常的に食べている肉に、鶏肉や豚肉、牛肉などがありますが、一方で馬肉は食べたことがないという方も少なくありません。本記事では、馬刺しの味と魅力や和牛との違い、馬肉の栄養素などについて紹介します。

普段から食べ慣れている豚肉や牛肉と比べて、より優れているポイントもいくつかあるため「まだ馬刺しを食べたことがない」「おいしい馬刺しを食べてみたい」と考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

馬刺しの味と魅力

馬刺しは生で食べられる肉料理ですが、魚のお刺身とも異なる味と魅力があります。ここでは馬刺しの味と魅力について紹介していきます。

馬刺しには豊富な栄養素が多い

馬刺しには、あらゆる栄養素が豊富に含まれています。一般的な肉類は加熱して食べられることがほとんどですが、馬肉は生で食べられる特徴があります。そのため、ビタミンやミネラルなどを破壊せずに無駄なく摂取することが可能です。

また、馬刺しに含まれるビタミンAやビタミンB1は、皮膚を健康に保ったり、身体の抵抗力を上げたり、糖質の代謝を高めたりする効果があります。一般的な成人に不足しがちな鉄分も豊富に含まれており、日々の疲れがなかなか取れない方にもおすすめです。

とろけるような触感と強い甘み

馬刺しは、とろけるような触感と強い甘みを感じられる特徴があります。とろけるような触感の理由には、脂の融点が関係しています。豚肉や牛肉に比べて脂の融点が低いため、口内で脂がじんわりと溶けだし、とろけるような触感を演出するのです。

また、馬刺し特有の肉の強い甘みは、グリコーゲンが関係しています。グリコーゲンとは、肉の甘みを感じる成分で、体内の筋肉や肝臓に蓄えられるエネルギー源として活用される物質です。馬肉に含まれるグリコーゲンは、豚肉の約5倍含まれているため、強い甘みを感じられます。

馬刺しが生で食べられる理由

馬刺しが生で食べられる理由として、馬の体温が挙げられます。馬の体温は豚や牛よりも高く、40度以上におよぶこともあります。体温が高いため、体内で雑菌が繁殖しにくく食肉加工の際に肉自体に菌が付着しにくい性質があるのです。

また馬刺し用の肉は、食肉加工の際のルールとして、マイナス20度で48時間以上の冷凍処理を行うことが義務付けられています。徹底した衛生管理を行っているため、食中毒になるリスクが低く、安心して生食ができます。

馬刺しのトロの味わいについて

馬刺しの部位には、赤身やたてがみをはじめとするさまざまな種類があります。そのなかでも、トロと呼ばれる部位は肉と脂のバランスがよく、好んで食べる方も少なくありません。ここでは、馬刺しのトロの味わいについて紹介していきます。

馬刺しにおけるトロとは

トロといえば、中トロや大トロのようなマグロの脂の乗った部分を思い浮かべる方が多いですが、馬刺しのトロはマグロとは異なる特徴があります。マグロのトロは主に腹身の一部を指し、大トロはマグロ全体の5%ほどしか取れません。

一方で、馬刺しにも中トロや大トロと呼ばれる部位がありますが、中トロは程よくサシの入った『クラシタ』や『前バラ』を使用することが多く、よりサシの入っている『三角バラ』や『バラオビ』を大トロとして取ることが多くあります。

馬肉の大トロも、マグロのトロと同様に希少な部位であり、1トンの馬から約20kg~30kgほどの約2~3%しか取れません。そのため、赤身などの部位の2~3倍の値段で販売されることが多く、希少性の高い馬肉として流通しています。

馬刺しのトロの味

馬刺しの赤身は、馬肉本来の肉の甘みや弾力を楽しめる部位に対し、馬刺しのトロはほかの部位と比べて、馬肉の脂の旨さととろけるような触感を存分に感じられる部位として親しまれています。一般的な馬刺しのトロは、腹身の部分や肩の部分など、さまざまな部位から取られることが多くあります。

腹身の部分はとくにサシが入りやすいため、脂の旨味をもっとも感じられる部位です。その一方で肩の部分は、腹身の部分よりもサシは少ないものの、赤身と脂のバランスがよく、ほどよい弾力を感じられるのが特徴です。

また、馬肉の脂は融点が低いため、旨味はありつつもさっぱりとしており、食べ終わりがしつこく感じない特徴もあります。マグロのトロがくどく感じる方は、馬刺しのトロであればきっと問題なく食べられることでしょう。

馬肉の大トロと中トロの違い

大トロとして流通されることの多い『バラオビ』は、馬の下腹部にある部位で、バラの中でもさらに脂の乗りがよいのが特徴です。希少な部位のため、馬肉を販売しているお店でも置いていない場合もあります。

三角バラ』も大トロとして流通される部位のひとつで、馬の腹部から下腹部にかけて取れる希少部位です。細かなサシがきれいに入っており、脂の旨味とやわらかな触感を楽しめます。

クラシタ』は牛肉でいう肩ロースで、馬肉では中トロとして扱われることがある部位です。赤身と脂のバランスがよく、やわらかくも歯ごたえを感じられる触感が特徴です。

前バラ』は名前のとおり腹身の前の部分に位置する部位で、主に中トロとして分類されます。大トロよりも手頃な値段ですが、赤身と脂の旨味が十分に感じられるため、馬刺しの中でも比較的人気の高い部位です。

馬肉の大トロと中トロの主な違いとして、大トロは脂が十分に入っていてやわらかい触感なのに対し、中トロは赤身と脂のバランスがよく程よい弾力を楽しめる特徴があります。

和牛トロとの味の違い

馬肉にもトロがあると紹介しましたが、和牛にもトロと呼ばれる部位が存在します。馬肉のトロは脂が甘く、脂の融点が低いため、口に入れるととろけるような触感を感じられるのが特徴です。一方で和牛のトロは、馬肉以上に濃厚な脂の旨味を感じられ、和牛特有の芳醇な風味を楽しめます。

馬肉のトロは和牛ほどの濃厚さはありませんが、脂の旨味としつこさの感じないさっぱりとした味わいから、老若男女問わず食べやすい部位といえます。和牛のトロも脂の甘さや旨味が十二分に感じられ、脂の風味も楽しめますが、食べ進めていく中で多少しつこく感じる点は否めません。

そのため、食べ飽きずに長く肉の旨味を楽しみたい方は馬肉のトロを少量で十分に楽しみたい方は、和牛のトロをおすすめします。

和牛トロに使われる部位

和牛のトロとして使用される部位は、主に『サンカク』と『ミスジ』です。どちらも焼肉の部位でメニューに載っている場合が多いですが、サンカクは肩バラの肋骨周りの肉で、サシがきれいに入っている特徴があります。

濃厚な脂の風味を味わうことができ、焼肉のメニューでは上カルビや特上カルビとして出しているところもあります。また、肩甲骨の裏部分にあるミスジという部位は、固くなりやすい肩周辺の肉にもかかわらずやわらかくサシが多いのが特徴です。

サンカクとミスジは、牛1頭あたり約2~3kgしか取れない希少部位のため、赤身の牛肉と比べて倍以上の値段になる場合があります。

馬刺しの解凍とスライス幅

ネットなどで馬刺しを購入して食べる場合、肉が凍っている場合が多く、食べる前に肉の解凍とスライスを行う必要があります。間違った方法で解凍やスライスを行うと、馬刺しの味や質が落ちてしまうため、処理には注意が必要です。ここでは馬刺しの解凍やスライス幅などについて紹介します。

馬刺しの解凍方法

主に馬刺しは、100~200g程度の塊肉として真空パックに入っていることが多く、解凍をする際はパックから開けずにそのまま解凍する場合がほとんどです。主な解凍方法として、流水解凍が挙げられます。

手順は簡単で、ボウルに真空パックの馬肉を入れ、水道から水を細く流してボウルに溜めていくだけです。馬肉に水が当たるようにするとより解凍しやすくなります。馬肉の大きさや部位によって解凍時間は異なりますが、3~5分ほど浸けて様子を見つつ肉の内部に少し芯が残っている程度まで解凍するとよいでしょう。

半解凍くらいにしておくとスライスがしやすいためおすすめです。また、解凍をする際に電子レンジで行ってしまうと、馬肉の旨味や脂がドリップとして溶けだしてしまうため、行わないように気をつけましょう。

馬刺しのスライス幅

馬肉の解凍が無事できたら、スライスをしていきます。解凍した馬肉を真空パックから取り出し、まな板の上に置きます。もし水分がついていたら一度キッチンペーパーなどで拭き取ってください。

馬肉をスライスする際は、肉の繊維に対して垂直になるように包丁を入れていきます。肉の繊維に対して平行にスライスをしてしまうと、触感が固くなり、なかなか噛み切れない馬刺しになってしまいます。

また、馬肉の適切なスライス幅は部位によって異なり、おおまかに以下のとおりです。

  • 赤身肉:3mm
  • 中トロ:2~3mm
  • 大トロ:2~3mm
  • たてがみ:1.5~2mm

赤身は、薄くスライスをすると味と食べ応えが感じられないため、比較的厚めにスライスします。中トロと大トロは、赤身よりもやわらかく脂肪分も多いため、2~3mm程度に、たてがみは全体が脂のため、なるべく薄めにスライスします。

馬刺しの盛り付け

馬刺しをスライスできたらいよいよ盛り付けです。魚のお刺身であれば、一般的には大根を細く切ったツマとすりおろしのワサビを付け合わせに盛り付けますが、馬刺しの場合はタマネギのスライスとすりおろしたショウガとニンニクを合わせます。

馬肉に合わせるタマネギ、ショウガ、ニンニクは主に馬肉の臭み消しに効果的です。肉自体に魚のような生臭さはありませんが、人によっては独特のクセを感じる場合があるため、香りのあるタマネギやショウガ、ニンニクを使うことでより食べやすくなります。

また、見栄えをよりよくしたい場合や味のバリエーションを増やしたい場合は、大葉やミョウガ、刻みネギなどを添えるとよいでしょう。見た目もよくなり、豊富な薬味で色々な味を楽しめます。

馬肉の栄養やカロリーについて

馬肉にはあらゆる栄養素が含まれており、ほかの肉に比べてカロリーが低い特徴があります。ここでは、馬肉の栄養やカロリーについて紹介していきます。

低カロリーで高たんぱく

馬肉は低カロリーでたんぱく質が豊富に含まれています。馬肉のカロリーは豚肉や牛肉の1/3ほどで、100gあたり約110kcalしかありません。また、たんぱく質は100gあたり20.1gと、皮なしの鶏もも肉(100gあたり18.8g)よりも多く含まれています。

また馬刺しであれば、調理で油分を使用することもないので、摂取するカロリーが増えにくいという特徴もあります。低カロリーで高たんぱくのため、ダイエット中の方はもちろん、身体を鍛えている方やアスリートにとくにおすすめの肉といえます。

鉄分やカルシウムなどの栄養素

馬肉にはあらゆる栄養素が含まれていますが、ほかの肉に比べてとくに鉄分やカルシウムなどが豊富です。鉄分は赤身の牛肉の約1.8倍、赤身の豚肉の約6倍、鶏肉の10倍含まれています。一方でカルシウムは、鶏肉の約1.8倍、赤身の豚肉の約2倍、赤身の牛肉の約3.6倍含まれています。

鉄分は日々の疲れを感じる方に、カルシウムは骨や歯の健康をはじめ、神経の働きを安定させたい方にとくにおすすめです。

豊富なミネラル・ビタミン

馬肉は、ミネラルやビタミンも豊富に含まれています。先述のとおり、鉄分やカルシウムをはじめ亜鉛などのミネラルを含み、加えてビタミン類も豊富です。馬肉に含まれるビタミンは、主に以下のとおりです。

  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ビタミンE

ビタミンの中には熱に弱いものもあるため、一般的な調理法では失われてしまう場合もあります。しかし、馬刺しであれば調理不要で食べられるため、栄養を無駄にせず摂取することが可能です。

必須脂肪酸

馬肉の脂肪には必須脂肪酸が多く含まれています。必須脂肪酸とは、リノール酸やα-リノレン酸、オレイン酸など、人間が体内で生成できない脂肪酸のことを指します。不足すると皮膚や内臓に悪影響をおよぼすため、食事からうまく摂取することが大切です。

馬刺しから必須脂肪酸を摂取したい場合は、サシの入っている部位やたてがみなどの脂肪分の豊富な部位を食べるのをおすすめします。

脂質

馬肉は、ほかの肉に比べて脂質が低い特徴があります。馬肉100gあたりの脂質は2.5gで、牛肉の約1/5、豚肉の約1/8しか含まれていません。また、馬肉の脂質は不飽和脂肪酸と呼ばれるもので構成されており、主な働きとして悪玉コレステロール(LDL)の数値を下げる効果があります。

ちなみに、不飽和脂肪酸は融点が低い特徴がありますが、馬肉のとろけるような触感を生み出しているのは、実はこの不飽和脂肪酸の効果でもあります。

馬刺しの独特の味や和牛との違い、栄養素について解説しました。こちらの記事では肉の生食について解説し、生で食べたい人におすすめの肉も紹介していますので合わせてご覧ください。

まとめ

本記事では馬肉の味や栄養素、和牛との違いなどについて紹介しました。魚のお刺身に比べて部位が豊富にあり、肉質の特徴はさまざまです。馬刺しのおいしさはもちろん、低カロリーで栄養素が豊富なため、身体にもよい効果が期待できます。

また、牛肉には濃厚で独特な香りが楽しめる一方で、馬肉にはさらりとした脂の旨味とやわらかくも弾力を感じられる触感が特徴です。ほかの肉とはまた異なる旨味と甘みを楽しめるので、この機会にぜひ馬刺しを試してみてください。

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