2023.06.16
馬肉の販売には冷凍義務が課せられている。正しい知識で、馬肉を美味しく生食しよう!
飲食店で生肉を提供するのは10年以上前から禁止されています。
馬肉も例に漏れず、2011年に厚生労働省が出した通達から、現在に至るまで馬肉の販売には冷凍義務が課せられるようになりました。
しかし、こっそりと生肉を提供して食中毒を引き起こしてしまう事件が起きることもありましたよね。
こちらの記事では、馬肉を美味しく食べるための正しい知識について紹介していきます。
目次
2023年現在、馬肉の販売に課せられている冷凍義務とは?
まずは2011年6月17日に厚生労働省から通達された馬肉に関する内容について確認していきましょう。
この通達は「馬肉に含まれる特定の寄生虫の関与を処理するための通達」となっていることが特徴的です。
馬肉に生息するのは「サルコシスティス・フェアリー(住肉胞子虫)」と呼ばれる寄生虫が主となっています。
この寄生虫の対策は「マイナス20度以下で48時間以上冷凍する」ことで対策が可能です。
その結果として、現在の馬刺しの流通に関しては冷凍する義務が生産者に課せられることになりました。
ちなみにですが、馬肉に寄生する「サルコシスティス・フェアリー」は、人間には寄生しないことが研究結果として判明しているので安心して下さい。
ただし、サルコシスティス・フェアリーに寄生された馬肉を食べてしまうと、下痢や嘔吐といった症状を引き起こす可能性があるとされているので、注意が必要です。
馬肉に関する厳正な審査を行っている「熊本県馬刺し安全安心推進協議会」とは
馬肉といえば熊本県の名産品ですが、熊本県には「熊本県馬刺し安全安心推進協議会」という団体が存在しています。
この団体は平成24年(2012年)に設立された団体となっていて、熊本の代表的な食文化でもある馬刺しを守るために様々な取り組みを行っている団体です。
こちらでは、熊本県馬刺し安全安心推進協議会がどのような取り組みを行っているのかということについて紹介していきましょう。
協議会独自の冷凍処理ガイドラインを設けている
協議会では厚生労働省が定める基準よりも厳格な基準を設けて馬肉の冷凍処理を行っています。
具体的な基準については下記のとおりです。
このようになっていて、厚生労働省が定める基準よりも5時間多い冷凍処理を行っています。
会員向けに管理責任者講習会の実施
協議会の会員数は、平成31年3月末時点で56社です。
その全ての会員向けに管理責任者講習会を年に2回実施しています。
この講習会では食品衛生法やJAS法といった食品に対して直接的な関係のある講習だけではなく、景品表示法や食品表示法などの法律に関する最新情報を周知することが目的とされています。
巷で見かける悪質な商品を販売する業者の多くは、正しいことを知らないために起こされるケースが多いです。
そのため協議会では会員に向けて、正しい情報と知識を身に着けてもらうことで、健全な運営をサポートしています。
不定期の内部監査の実施
協議会では会員に対して年に2回の「不定期内部監査」があります。
内部監査では馬肉の温度管理や設備点検はもちろんのこと、管理記録の照合なども合わせて徹底的に行なっています。
また、外部監査としては熊本県の畜産課や保健所と協力して実施しているために、「熊本から食中毒を出さない!」をスローガンに掲げていることが特徴的です。
消費者が安心・安全な馬刺しを食べるための判断基準について
馬肉の販売業者が様々な取り組みをしていたといっても、消費者から見ると何が安全なのかわからないという人も多いでしょう。
そこで協議会では1つの基準として認証シールを発行しています。
認証シールが貼られた商品は協議会のお墨付きといっても過言ではありません。
厚生労働省が定める規定よりもさらに厳しい基準をクリアしている企業が販売している商品だという証明でもあるので、認証シールが貼ってある馬肉を探して下さい。
当社の馬肉関連商品について
当社も熊本県馬刺し安全安心推進協議会に加盟していて、安心安全な馬肉を販売しております。
熊本県馬刺し安全安心推進協議会で規定されている基準の他にも独自の取り組みとして、と畜された馬肉はその日のうちに仕入れ、その日のうちに仕上げて100gずつ小分け包装し冷凍処理を施します。
その過程では湯づけ処理(真空後冷凍する前に80度のお湯に一瞬つけ殺菌と真空の強度高める処理)まで施しの馬肉の鮮度を最大限に維持できるよう努めています。
もちろん衛生面でも細心の注意を払うことで、安全で安心できる馬肉を毎日お届けしています。
一度冷凍処理された馬刺しはお客様の食卓に並ぶまで一度も解凍されることはありません。
まさにさばきたての新鮮な馬刺しをご自宅で楽しめるのです。
まとめ
今回は馬肉の安全性について紹介しました。
厚生労働省が規定するポイントとして、冷凍の義務が課せられているために、2023年現在は生の馬肉を提供することは出来ません。
しかし、様々な企業や団体の努力や頑張りによって、「より生の状態に近い馬肉」を提供することは可能になっています。
もし、美味しい馬肉を食べたいと思ったら、不幸な事故を起こさないためにも、安心安全な馬肉を購入するようにして下さい。