2023.09.26
正しい馬刺しの解凍方法!ドリップの処理方法や解凍後の賞味期限は?
「生肉は鮮度が大切なのは知っているけど、正しく衛生的な方法で解凍するにはどうするの?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。馬刺しは生肉のため、解凍した瞬間から劣化がはじまります。時間が経つと細菌の増殖などの危険もあります。
しかし、だからといって不適切な方法で解凍してしまうと、馬刺しの持つ風味や食感が損なわれ、楽しめなくなってしまいます。
本記事では、馬刺しをおいしく安全に食べたい方に向けて、正しい解凍方法と注意点などについて解説しています。本記事を読むことで、馬刺しの解凍方法・切り方・保存時の注意がわかり、馬刺しを一番よい方法で楽しめるようになるでしょう。ぜひ参考にしてください。
目次
馬刺しの正しい解凍方法
馬肉は通常、真空パックに詰められ、冷凍された状態で流通しています。馬肉には寄生虫などが潜んでいる可能性があるため、マイナス40度で48時間以上冷凍することで、安全性が高まるとされているからです。
馬肉はデリケートな食品であるため、最高の状態で食べるには、食べごろを考慮した適切なタイミングでの解凍が理想です。誤った方法で解凍すると、肉の品質が落ち、食材の美味しさを損なう可能性があります。
馬肉に与えるダメージが少なく、衛生的な解凍方法として、氷水解凍と流水解凍があります。
氷水解凍【おすすめ】
馬肉の解凍でもっともおすすめなのは、氷水解凍です。ボウルなどに氷を入れて水を張り、ボウルの中に馬肉をパックごと投入して、肉を解凍する方法です。
馬肉の量や室温などにもよりますが、30〜60分ほど氷水に入れておくことで、外側が柔らかく、中心に少し芯が残る程度の半解凍状態になります。
氷水解凍は、時間はかかりますがゆっくりと均一に解凍でき、馬肉へのダメージが少なく、美味しさがキープできるおすすめの解凍方法です。ただし、解凍しすぎてしまうと肉の食感が損なわれるほか、肉を薄切りにしにくくなるため、半解凍の状態でのスライスが理想です。
流水解凍
流水解凍も一般的な馬肉の解凍方法です。パックごと流水に5〜10分程度さらすと解凍できます。半解凍することで、薄切りにしやすくなり、肉の食感も損なわれにくくなります。
流水解凍は、水道水の流れに肉を当てて解凍するため、解凍時間の調節が難しく、流水の温度によっては全解凍してしまうことがあるため注意しましょう。
どうしても時短で馬刺しを食べたい際の解凍方法
馬肉をどうしても時短で解凍したい場合は、電子レンジでの解凍や、自然解凍をする方法があります。ただし、食品衛生面や風味や食感の観点から、おすすめの解凍方法とはいえません。
電子レンジ解凍
時短で馬肉を解凍したいときは、電子レンジで解凍する方法があります。具体的には200Wで両面30秒程度加熱すると、適度な硬さに解凍できます。ただし、馬肉をより美味しく食べたい場合は、氷水解凍をしたほうがよいでしょう。
電子レンジでの解凍は、肉の水分が急速に蒸発しやすく、解凍具合の調節も困難です。馬肉は急激に解凍されると、細胞が破壊されて風味が損なわれたり、ドリップが出やすくなったりするため、電子レンジ解凍はおすすめしません。
室内や屋外での解凍
室内や屋外での自然解凍も可能です。冷蔵庫での解凍は約6時間、室内での解凍は約1時間が目安です。ただし、馬肉をより美味しく安全に食べたい場合は、氷水での解凍をおすすめします。
自然解凍は室温下で長時間放置するため、解凍しすぎてしまう可能性があるほか、食材の表面が温まってしまい、微生物の繁殖が進みやすくなる危険性も考えられます。したがって、室内や屋外での自然解凍は、食品衛生を考慮するとおすすめとはいえません。
解凍時に出たドリップの処理方法
馬肉に限らず、冷凍された食用肉を解凍すると、破壊された細胞が水分と一緒に流れ出てきます。これをドリップと呼びます。
ドリップは、流出してすぐはピンク色や透明に近い色をしていますが、時間がたつと色が変わります。汁が赤黒い場合は流出してから時間が経っている証拠ですので、廃棄しましょう。
解凍した馬肉から出たドリップは、肉のうま味成分や栄養を含んでいますが、臭みもあるため料理への活用などは困難です。馬肉にドリップが付着している場合は、そのまま食べずにキッチンペーパーで拭き取りましょう。
解凍した後の取り扱い
馬肉は、解凍してパックを開けた瞬間から劣化がはじまります。開封後すぐはきれいな桜色ですが、時間がたつと酸化して黒ずんでしまいます。そのあとは細菌の繁殖など食品衛生上の問題が発生するため、馬肉をおいしく安全に食べるためには、下記の点に留意しましょう。
解凍後の賞味期限
解凍した馬肉の賞味期限は、未開封なら3日程度、開封済みなら当日中の消化が望ましいとされています。食用肉は、解凍により微生物の繁殖に適した温度になると、品質の低下や食材の風味損失が進むため、なるべく早めに食べきることをおすすめします。
冷凍状態であっても、家庭の冷凍庫は開け閉めによって温度が変わりやすいため、1〜3か月程度を目安に消化しましょう。この期間はあくまで目安であり、解凍した馬肉の状態や色、匂いを確認し、異常がある場合は早めに消費するか、廃棄することをおすすめします。
解凍後の切り方
解凍した馬肉は、モモやヒレなどの赤身肉なら少し厚めに、霜降り馬刺しなどの中トロ、大トロは3~4ミリ程度にスライスするのがおすすめです。コウネやフタエゴは歯ごたえがあるため、3ミリ程度のスライスがよいでしょう。
スライスが厚すぎると食感や馬肉本来の風味が楽しめない可能性があるため、ゆっくり丁寧に切りましょう。
解凍の状態は、全解凍より半解凍の状態が理想的です。半解凍の状態でのスライスは、適度な硬さがあるため薄く切るのも簡単です。全解凍してしまうと、肉がやわらかくなりすぎてしまい、薄く切るのが難しくなります。
また、馬肉は大きな筋が入っていないことが多いですが、もし筋がある場合は、筋に対して垂直に切ることで口当たりをよくできます。筋に沿ってスライスしてしまうと、肉が硬くなってしまうため注意が必要です。
スライスする際は、消毒したまな板と包丁を使用すると、食品衛生面でもより安心です。
解凍後の注意点
馬肉を解凍したあとの注意点には、下記のポイントがあります。
・再冷凍しない
解凍した馬肉は再冷凍しないようにしましょう。再冷凍すると肉の細胞が破壊され、食感や風味が大幅に損なわれるだけでなく、食品衛生の観点からも問題です。解凍と冷凍を繰り返すと、肉の温度が微生物の増殖に適した温度になる時間が長くなり、食中毒のリスクが高まります。
・解凍したら当日中に消費する
馬肉の新鮮さを保ち、口当たりがよく風味が豊かな状態を維持するためには、馬肉を解凍したらなるべく早く調理または消費することが望ましいです。特に馬肉はデリケートな食材であり、解凍後は微生物の繁殖が進みやすくなるため、当日中の消費がおすすめです。
・すぐに食べない肉は冷蔵庫へ
解凍後に馬肉を切り分ける場合は、未使用の部分は必ず冷蔵庫で保存しましょう。解凍後の馬肉が室温で放置される時間を短縮し、微生物の繁殖を抑制できます。
・できるだけ食べきる
切り分けた馬肉は、なるべく当日中に食べきりましょう。やむを得ず当日中に食べきれない場合は、再冷凍せず、チルドルームなどで保存します。翌日食べるときは、焼き肉などにして十分に加熱して食べることをおすすめします。
馬肉はデリケートな食べ物です。解凍したら当日中にすべて食べきることが、食品衛生上の観点からも、もっとも安心な方法です。
やむを得ず保存する場合は、再冷凍は避け、なるべく温度の低いチルドルームや、温度変化の影響を受けにくい冷蔵庫の奥などで保存し、翌日には火を通して食べるとよいでしょう。
馬肉に含まれる栄養成分をご存じでしょうか。こちらの記事では、馬肉食によって得られる健康効果を紹介しています。
まとめ
本記事では、馬肉の品質を落とさない解凍方法や、解凍した後の注意点などについて解説しました。
- 馬肉を解凍するときは氷水で解凍する
- 解凍したら筋に垂直に切る
- 厚みは3ミリ程度がおすすめ
- できるだけ当日中に食べきる
- 食べきれなかったら翌日は加熱して食べる
馬肉は鮮度が落ちやすく、生肉なので扱いを間違えると細菌が増殖してしまう心配もあります。馬刺しを食べるときは、この記事で解説した内容を参考に、おいしく安全に食べてください。
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