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2024.06.25

馬刺しを食べ過ぎるとどうなる?食中毒や腹痛になるって本当?

生の馬肉で作られる馬刺しは、肉の旨味や脂の甘みをダイレクトに感じられる馬肉料理です。人によっては、魚の刺身よりも好んで食べる方もいます。一方で、肉の生食と聞くと腹痛を起こしたり、食中毒になったりするのではないかと心配な方もいるでしょう。

この記事では、馬刺しを食べ過ぎるとどうなるかについて紹介しています。また、馬刺しの適切な摂取量馬刺しの安全性なども紹介しているので、馬刺しを食べることに不安のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

馬刺しを食べ過ぎるとどうなる?

ある程度の量であれば、馬刺しを食べても身体に異変が起きることは滅多にありません。ただし、馬刺しを食べ過ぎた際にはいくつかの症状が現れることがあります。主な症状は以下の3つです。

  • 食中毒
  • 腹痛や下痢
  • 痛風

それぞれ順番に解説します。

食中毒になる可能性がある

馬刺しを食べ過ぎた場合は、食中毒になる可能性があります。ただし、肉の鮮度が悪かったり肉の品質自体が悪かったりした場合にのみ起こりえます。馬刺しを食べて引き起こされる食中毒は、主に「ザルコシスティス・フェアリー」と呼ばれる微細な寄生虫が原因です。

「ザルコシスティス・フェアリー」とは、犬や馬の寄生虫で、人間に寄生することはありません。馬の場合は、筋肉の中に入り込んで寄生する習性があります。この寄生された馬肉を生で食べることで食中毒になる場合がありますが、現代では食中毒の可能性は限りなく低いです。

なぜなら、馬肉加工の際にはマイナス20度で48時間以上冷凍する義務があり、冷凍処理により「ザルコシスティス・フェアリー」は不活化するからです。馬刺しによる食中毒は、食肉の中でも事例が少ないため、基本的には問題ないと考えてもよいでしょう。

腹痛や下痢になる可能性がある

馬刺しを食べ過ぎた場合、腹痛や下痢になる可能性があります。主な原因は「食中毒によるもの」と「消化不良によるもの」の2つが挙げられます。食中毒による腹痛や下痢は、先ほど紹介した寄生虫の「ザルコシスティス・フェアリー」が原因です。

一方で、消化不良による腹痛や下痢は、馬刺しの特徴によるものといっても過言ではありません。馬刺しは馬肉を生で食べる方法のため、基本的には冷やした状態で食べることが多く、食べ過ぎると身体や胃腸を冷やし、腹痛や下痢を引き起こします。

また、馬肉をはじめあらゆる肉類は、米やパンなどの炭水化物よりも消化時間が必要です。一般的には炭水化物は2〜3時間、肉類などのたんぱく質は4〜5時間ほど消化に時間がかかるため、馬刺しを多量に食べると消化不良により腹痛や下痢になります。

痛風になる可能性がある

馬刺しを食べ過ぎると、痛風になる可能性もあります。痛風とは、ある日突然足の指などの関節が腫れて激痛を起こす症状です。尿酸値が高いほど起こりやすい特徴があり、痛風の大きな原因のひとつにプリン体が挙げられます。

プリン体は体内に入ることで最終的に尿酸に変わり、多量に摂取すると痛風の症状を引き起こしやすくなります。このプリン体は馬刺しにも含まれており、部位により異なりますが、100gあたり60〜150mg含有しています。

高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインによると、1日当たりのプリン体の摂取量は400mgまでです。そのため、馬刺しを毎日大量に食べ続けている方ではない限り、馬刺しの摂取による痛風を発症する可能性は低いといえるでしょう。

馬刺しの適切な摂取量

馬刺しを食べ過ぎると、身体にさまざまな異変が起こる可能性があることを紹介しました。馬刺しを食べる際の適切な摂取量は状況によりますが、お酒のおつまみとして楽しむ、もしくはお店で提供される目安の量は30〜40gです。

一方で、自宅などで食事として楽しむ場合であれば、100gほどが目安とされています。もちろん、よほど馬刺しが好きな方であれば100g以上食べても構いません。

ただし、先述した痛風の原因のひとつであるプリン体の含有量を加味すると、多くても250〜300gくらいを上限と考えておいた方がよいでしょう。また、痛風にならないように気をつかうのであれば、馬刺しと一緒に楽しむお酒はプリン体の少ない種類を選ぶことが大切です。

馬刺しの安全性

馬刺しを食べ過ぎると身体にさまざまな影響があることを紹介しましたが、基本的に馬刺しは、安心して食べられるものととらえて問題ないといえます。馬刺しが安全な理由は、主に以下の3つです。

  • 高い衛生基準をクリアしている
  • 腸管出血性大腸菌のリスクが低い
  • アレルギーを起こしにくい

それぞれ順番に解説します。

高い衛生基準をクリアしている

馬刺しは馬肉を生で食べる調理法のため、生食に適した加工処理を行っており、高い衛生基準をクリアしています。生の馬肉には、先述した寄生虫の「ザルコシスティス・フェアリー」がいる場合があり、寄生した馬肉を生で食べると腹痛や下痢を引き起こします。

この寄生虫を不活化させるためには、適切な加熱または冷凍の処理が必要です。馬刺し用の馬肉は、マイナス20度で48時間以上冷凍処理を行うことが厚生労働省の通達により義務づけられています。

また、食肉加工処理場などでは、肉についていなかった細菌が器具などのほかのものから付着して生じる、二次感染による食中毒が起こらないように衛生管理を徹底しています。

腸管出血性大腸菌のリスクが低い

馬刺しは肉の生食のため、食中毒の可能性があると考える方も少なくありません。実際に過去には、飲食店で牛肉やレバーなどの生食で食中毒の事故が発生しています。このときの食中毒の原因は、腸管出血性大腸菌の『O157』でした。

そのため、馬刺しを食べることで腸管出血性大腸菌に感染してしまうのではないかと、心配に感じてしまう方も一定数います。しかし、馬肉には基本的に腸管出血性大腸菌は付着していないことがほとんどです。

腸管出血性大腸菌は、牛や豚の腸内に生息しており、馬の腸内にはすみつきづらい特徴があります。馬の体温は40度以上あるため、腸管出血性大腸菌を含む雑菌が増殖しにくく、食中毒の影響がほとんどありません。

アレルギーを起こしにくい

お肉のなかには牛肉や豚肉など、アレルギーを引き起こすものが存在します。味わいや見た目が似ている馬肉もアレルギーを引き起こすのではないかと心配な方もいますが、馬肉はアレルギーを起こしにくい肉類です。

肉類でアレルギーが起こるのは、牛肉や豚肉に含まれる『α-gal』という糖鎖抗原が主な原因です。糖鎖とは、ブドウ糖などの糖が結合した物質のことで、細胞内にあるほぼすべてのたんぱく質や脂質などに産毛のように付着しています。

抗原は、身体のなかに侵入してきた異物を指し、食べ物でいうところのアレルゲンのことを意味します。α-galは哺乳類のたんぱく質に存在するため、牛肉や豚肉を食べるとアレルギー反応が出る場合がありますが、馬肉には反応が出ないことが多いです。

そのため、牛肉や豚肉などに比べてアレルギーを起こしにくいといえます。

馬刺しの安全な食べ方

馬刺しを安全に食べるためには、以下のポイントをおさえておくことをおすすめします。

  • 信頼できるお店や通販で購入する
  • 正しい方法で解凍する
  • よくかむ
  • 温かいものと一緒に食べる

それぞれ順番に解説します。

信頼できるお店や通販で購入する

馬刺しを安全に食べるためには、信頼できるお店や通販で購入することが大切です。基本的には、厚生労働省の通達により食肉加工の際の食品衛生の徹底が義務づけられています。しかし、実際に正しく処理が行われているかを消費者が確認することは困難です。

そのため、ホームページや商品ページなどできちんと食肉加工を行っていること安全性を説明していること馬肉の生産地を明記していることなど、さまざまな点から判断してみるとよいでしょう。

実店舗であれば、店舗自体の清掃が行き届いているか、陳列されている肉の色や状態を確認してみてください。また、通販であれば利用した方の口コミなどを参考に検討してみることをおすすめします。

正しい方法で解凍する

馬刺しを安全に食べるためには、自宅での馬肉の処理も適切に行う必要があります。居酒屋などで馬刺しを注文すると、馬肉を切り分けられた状態ですぐに食べられるように提供されます。通販などで馬刺しを注文した場合は、馬肉がブロックの状態で冷凍されていることが多く、解凍してから切り分けて食べます。

この馬肉の解凍を適切に行わないと、味が落ちるだけでなく、場合によっては食中毒の原因となります。馬肉のブロックを解凍する場合に、もっともおすすめな方法は氷水解凍です。ボウルなどに氷水を入れて、馬肉をパウチごと沈めます。

そのまま時間を置いて半解凍くらいになったら切り分けて盛り付けます。全解凍してしまうと切りにくくなるため、中央がまだ少し固いくらいを目安に解凍するのがポイントです。

よくかむ

馬刺しを安全に食べるためのポイントのひとつに、よくかむことが挙げられます。馬刺しを含む肉類などのたんぱく質は、消化されるまでにある程度時間が必要です。

一般的には、お米やパンなどの炭水化物は2〜3時間で消化され、馬肉を含む肉類などは4〜5時間ほどで消化できるとされています。炭水化物に比べておよそ2倍の時間をかけて消化するため、できるだけ細かい状態で飲み込むことで胃腸で消化がしやすくなります。

また、消化をしやすくさせる以外にも、よくかむことで肉自体の旨味や脂の甘みが感じやすくなるため、よりおいしく馬肉を楽しみたい方はよくかんで味わってみましょう。

温かいものと一緒に食べる

馬肉を安全に食べるポイントのひとつに、温かいものと一緒に食べることが挙げられます。温かいものと一緒に馬刺しを食べることで、胃腸や身体が冷えにくくなり、消化不良を起こしにくくなります。

また、馬肉は古くから身体の熱を取る効果や身体を冷やす効果があるとされており、馬刺しで食べることでよりその効果が現れやすいです。馬刺し以外の調理法で食べるのであれば、焼肉やすき焼きなど、火を通して食べる方法で効果を中和させられます。

馬刺しの場合は、一緒に温かいご飯や汁物を、お酒と組みあわせるのであれば熱燗や焼酎のお湯割りなどと一緒に食べることをおすすめします。

こちらの記事では、馬刺しの有名な産地について解説しています。日本でおすすめの産地や海外の馬肉も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

馬刺しを食べ過ぎるとどうなるかを中心に、馬刺しの適切な摂取量や馬刺しの安全性などを解説しました。生肉を食べると聞くと食中毒などを心配する方もいますが、牛肉や豚肉などに比べて食中毒のリスクが低く、厚生労働省の通達に基づいた衛生管理により、安全な馬刺しが提供されています。

また、食べ過ぎたとしても健康被害の影響も低いため、気兼ねなく馬刺しを楽しめます。おいしい馬刺しをたくさん食べたい方は、ぜひこの記事のポイントを意識してみましょう。

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