2024.06.21
桜ユッケとは?生でも安心安全に食べられる馬肉の魅力とおすすめの楽しみ方
馬肉はなかなか気軽に購入できないものでしたが、現在ではネットショップで簡単に手に入るようになったほか、各地域のスーパーでも手軽に購入できるようになりました。一部では、馬肉を使ったユッケを販売していることがあり、「桜ユッケ」という名前で販売されていることもあります。
この記事では、桜ユッケとはどのようなものか、生でも安心安全に食べられる馬肉の魅力について解説します。また、馬肉のおすすめの楽しみ方も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
桜ユッケとは?
桜ユッケとは、桜肉(馬肉)を使ったユッケを指します。ここでは、ユッケがどのような料理か、桜ユッケの味、生で食べられる理由について順番に紹介します。
ユッケはどんな料理?
生肉料理といえばユッケをイメージする方も多いですが、ユッケは元々日本で食べられていた料理ではなく、発祥は韓国です。
ユッケとは、細切りにした生肉を使った韓国料理で、韓国語で「肉」を意味する「ユック」と「刺身」を意味する「フェ」を組み合わせて「ユッケ」と呼ばれます。作り方は、新鮮な生肉を細切りにし、しょう油、砂糖、ごま油、にんにくなどで味付けをし、きゅうりやナシの千切り、卵黄と一緒に食べる料理です。
一般的には、柔らかい赤身のもも肉などを使用します。
本場の韓国では、店や家庭によって味つけもさまざまで、コチュジャンなどで辛みを効かせたものや酢を加えてさっぱりさせる作り方もあります。また、ご飯の上にユッケを乗せてビビンバのようにして食べることもあり、お酒のお供だけでなく、ご飯のおかずとしても楽しめます。
桜ユッケはどんな味?
桜ユッケは、馬肉を使ったユッケです。牛肉のユッケと比べると、赤身の馬肉で作られたユッケはさっぱりしていて、砂糖やみりんを多めに使った甘めのタレと相性がよいです。一方、霜降り馬肉で作られたユッケはとろけるような味わいがあり、コチュジャンなどで辛みを効かせたタレや、酢やレモン汁を加えた酸味のあるタレと相性がよいです。
自宅でユッケを作る場合、焼肉のタレや市販のユッケ用のタレを使うと簡単に作れます。ユッケは肉単体でも美味しいですが、付け合わせによっても味わいが異なります。たとえば、きゅうりやナシ、りんご、ねぎなどを千切りにして一緒に和えると、異なる食感が楽しめるでしょう。
なぜ生のまま食べられる?
現在、生肉を食べられるお店は少なくなっています。これは厚生労働省によって規格基準が厳しく設定されているためです。生肉による食中毒のリスクが高いため、生肉の摂取は慎重になっています。
食中毒の原因菌としては、以下が挙げられます。
- サルモネラ属菌
- カンピロバクター属菌
- 腸管出血性大腸菌(O157やO111など)
これらの原因菌は主に牛や豚の腸に存在し、食肉加工の際に肉が汚染されることで食中毒を引き起こします。通常の食事では加熱処理を行うことでこれらのリスクを回避できますが、ユッケは生食であるためリスクが高いです。
一方、桜ユッケに使われる馬肉は、生食用に新鮮な馬肉が使用され、衛生管理が徹底された環境で処理されているため、安心して生で食べられます。また、馬の体温が牛や豚よりも高いため、食中毒の原因となる菌が繁殖しづらいという特徴もあります。
これらの理由から、桜ユッケは安心して生のまま食べられるのです。
なぜ馬肉=桜肉という?
馬肉は、精肉店やネットショップなどで「桜肉」という名称でも販売されることがあります。しかし、なぜ馬肉のことを桜肉と呼ぶようになったのでしょうか。以下では、その由来や馬肉の歴史について紹介します。
馬肉の歴史
馬肉が食べられるようになったのは、およそ2000年以上前の縄文時代からです。当時、モンゴル(蒙古)から家畜として馬が渡来し、これが日本における馬肉食の最古のルーツとされています。
日本において馬肉を食べる習慣が広まったのは、江戸時代頃からで、当時の肥後藩主である加藤清正が朝鮮出兵した際、馬肉の美味しさにおどろき、帰国後も馬肉を好んで食べたことがきっかけとされています。
「桜肉」と呼ばれるようになった由来
馬肉のことを「桜肉」と呼び、古くから親しまれてきましたが、その由来には日本各地でさまざまな諸説があります。ここでは、馬肉が桜肉と呼ばれるようになった由来について紹介します。
隠語説
桜肉と呼ぶようになった由来のもっとも有名な説として、隠語説が挙げられます。飛鳥時代の675年に天武天皇が発令した肉食禁止令により、全国的に肉を食べることが禁止されました。
日常的に肉を食べていた人たちは、どうにかして肉を食べられないかと考えた結果、肉の名前を隠語に変換して呼ぶようになり、馬肉を桜肉としました。また、馬肉以外にも猪肉は牡丹(ぼたん)、鹿肉を紅葉(もみじ)と呼び、密かに楽しんでいたそうです。
地名説
馬肉が桜肉と呼ばれる由来のひとつとして、地名が関係している説もあります。場所は千葉県の佐倉と呼ばれる地域です。江戸時代には江戸幕府が所有する牧場があり、とくに佐倉は優秀な馬がそろっていたため「馬といえば佐倉」といわれていたそうです。
現在でも佐倉は、城下町の面影を感じられる地域として認知されており、2016年には江戸時代の雰囲気を残す街並みが日本遺産として認定されました。広大な土地を活かして今もなお牧場や乗馬クラブなど、馬にまつわる活動が佐倉で長く続いています。
季節説
桜肉の由来のひとつに、季節にちなんだ説もあります。馬肉はもともと桜が咲く時期が一番美味しいとされており、春は馬肉の旬ともいわれていました。その理由には、馬は草や穀物などを食べて育つことが関係しています。
夏場は水分が多くみずみずしい植物を食べる一方で、秋口あたりからは食べる植物の水分が減っていき、干し草や穀物を食べて過ごします。それらの影響で、夏場の馬肉は水っぽく感じやすく、冬を越した馬の肉は脂の乗りがよくおいしいと評判になりました。
肉の色味説
桜肉と呼ばれる意味合いのなかで、桜の花びらのような色をしていることも由来のひとつです。桜のような色味には理由があり、馬肉は牛肉や豚肉などのほかの肉よりも、鉄分が豊富に含まれていることが挙げられます。
馬肉の鉄分が空気に触れることで、馬肉に含まれる成分「ヘモグロビン」と空気中の酸素が化学反応を起こし、それにより肉が赤色から桜色に変化します。
ちなみに鉄分の含有量を比較すると、馬肉は牛肉に比べて約1.5倍、豚肉に比べて約3.5倍多く含まれているため、肉の色の変化が出やすいのが特徴です。
その他の説
上記以外の説としては、幕末に坂本龍馬と高杉晋作が歌った伊勢の民謡が由来のものがあります。「咲いた桜になぜ駒つなぐ 駒が騒げば花が散る」のなかで登場する駒が、馬と変換されて桜肉となったとされています。
もうひとつは、高村光太郎の詩に登場する説です。高村光太郎とは、1883年〜1956年まで活躍した日本の詩人で、代表作の「道程」は教科書にも載っています。「夏の夜の食欲」という詩のなかで、馬肉をサクラと表現していたことから、馬肉を桜肉と呼ぶようになった説があります。
桜ユッケはどこで食べられる?
桜ユッケは、以下の場所で食べたり購入したりすることができます。
- 焼肉屋や韓国料理屋
- スーパーなど小売店
- ネット通販
それぞれ順番に紹介します。
焼肉屋や韓国料理屋
桜ユッケは、ユッケが提供されることが多い焼肉屋や韓国料理屋などで食べられます。もとは牛肉でユッケを作っていたところが、食品衛生の規制が厳しくなったことにより、馬肉で作られたユッケに変更して提供していることが理由のひとつとしてあります。
焼肉屋で提供されるものは、肉を専門として扱っていることもあり、肉の部位や鮮度にこだわったユッケが食べられるでしょう。一方で韓国料理屋のユッケは、本場の味つけで調味されているため、本格的なユッケを食べられます。
スーパーなど小売店
スーパーや小売店などでも桜ユッケを食べることが可能です。ただし、桜ユッケとして売られていない場合もあり、肉と調味液がセットになっているものが多いです。
スーパーで売られているものは、細切れの馬肉と調味液がセットになって冷凍されていることが多く、生のまま売られていることはほとんどありません。また、海外産の馬肉を使用している場合が多くあります。
一方で、小売店などでは海外産や国産などお店により取り扱いや商品は異なります。
ネット通販
現状でもっとも上質な桜ユッケを楽しめるのは、ネット通販です。馬肉の品質にこだわったお店を探しやすく、自宅でも外出中でも好きなときに注文ができます。また、本場の馬刺しなどにこだわっているお店は、桜ユッケも上質なものを提供している可能性が高いです。
美味しい桜ユッケが手軽に自宅で食べられるため、飲食店で食べるよりもネット通販を好んでいる方もいます。
肉の大栄では、やわらかくて美味しい桜ユッケを取り扱っております。新鮮な馬肉をすぐに真空パックにして加工しているので、肉の旨味をダイレクトに感じられるのが当店の馬肉の特徴です。
桜ユッケを楽しむおすすめの方法!
桜ユッケを楽しむためのおすすめの方法は、主に以下のとおりです。
- まずはそのままいただく
- 薬味と一緒にいただく
- 味付けを工夫してみる
- 好みの馬刺しでユッケを作ってみる
- 桜ユッケのアレンジスタイルも楽しむ
それぞれの方法を順番に紹介します。
まずはそのままいただく
桜ユッケを楽しむ際は、まずはお肉とタレだけでそのままいただいてみましょう。飲食店やネット通販など、店舗によって使用している肉の部位が異なり、かけているタレも味わいが異なります。
また、馬肉にこだわっている桜ユッケであれば、厳選された部位を存分に楽しめます。ヒレやロースなどの赤身なら、肉のやわらかさや弾力、肉本来の甘さが特徴です。一方でサシの多い部位の霜降りやバラ、フタエゴなどは舌でとろけるような脂の甘みと、奥深い旨味を感じられます。
薬味と一緒にいただく
桜ユッケをそのまま味わった後は、薬味と一緒にいただいてみましょう。一般的には以下の薬味を使うことが多く、食感や香り、甘さなどを加える意味合いがあります。
- きゅうり
- ナシやリンゴ
- 卵黄
- 青ネギや玉ネギ
- 白ごま
- 大葉
- ニンニクやしょうが
- きゅうり
- ナシやリンゴ
- 卵黄
- 青ネギや玉ネギ
- 白ごま
- 大葉
- ニンニクやしょうが
きゅうりは主に食感が加わり、ナシやリンゴは食感とさわやかな甘さがうまくマッチします。青ネギや玉ネギ、白ごまや大葉などは香りのアクセントとなり、ニンニクやしょうがは香りと辛みを加えられます。
また、上記以外では刻んだオクラやたくあん、韓国のりなどと組み合わせても美味しいです。
味付けを工夫してみる
自宅で桜ユッケを食べる場合であれば、付属のタレ以外にほかの調味料を加えて自分好みの味つけで楽しめることも可能です。桜ユッケのタレと組み合わせておいしい調味料はさまざまありますが、とくに以下のものは相性がよいです。
- コチュジャン
- トウバンジャン
- ブラックペッパー
- ラー油
- ごま油
- オリーブオイル
- バルサミコ酢
辛さを足したい場合は、コチュジャンやトウバンジャン、ブラックペッパーやラー油などがおすすめです。より韓国風に仕上げたい場合は、ごま油を少し足してみてください。また、洋風にしたい際には、オリーブオイルやバルサミコ酢を加えると、香りや味の方向性がガラッと変わります。
好みの馬刺しでユッケを作ってみる
手軽に食べられる桜ユッケ用のセットもありますが、自分の好みやこだわりを反映させて桜ユッケを作るのも楽しみのひとつです。
一般的に桜ユッケには赤身のやわらかい部位であるヒレやモモが使われますが、自宅で作る場合は、より上質な部位であるランプや、適度にサシの入った肩ロースなど、自由に部位を選べます。
さらに、霜降りの部位と赤身の部位を使って作り分けて食べ比べることも楽しいでしょう。そういった場合は、さまざまな部位がセットになっている商品を購入して試してみるのもよいアイデアです。
自宅で桜ユッケを作る際には、新鮮な馬刺しを選び、食材の扱いには注意を払いながら、自分好みの一品を楽しんでみましょう。
桜ユッケのアレンジスタイルも楽しむ
桜ユッケはそのままでも美味しいですが、アレンジすることでさらに楽しめます。桜ユッケをご飯の上に乗せて、ナムルや韓国のりを添えれば、桜ユッケのビビンバとして食べられます。
また、桜ユッケにみじん切りにした玉ネギやケッパー、ピクルスなどを加えて、オリーブオイルなどで和えたらタルタルステーキのような洋風の味わいを楽しめます。
洋風の味つけであれば、焼いたバゲットやクラッカーと一緒に合わせても美味しく食べられるので、ホームパーティなどの一品にもおすすめです。
こちらの記事では、ユッケについて解説しています。馬肉の安全性や食中毒の予防法も取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
桜ユッケとはどのようなものか、生でも安心安全に食べられる馬肉の魅力やおすすめの楽しみ方について解説しました。一般的なユッケは牛肉を使用して作られますが、馬肉で作られる桜ユッケはより安心安全に食べられる馬肉料理です。
桜ユッケを食べる際は、手軽においしいユッケが食べられるネット通販で注文する方法がおすすめです。この記事を参考に、美味しい桜ユッケを楽しんでみてください。
肉の大栄では、厳選した良質な馬肉を使用した馬刺しをはじめ、桜ユッケも取りそろえております。また、あらゆる部位を一度に楽しめる馬刺しセットなどもご好評いただいております。
ご自身用や家族で食べるのはもちろん、大切な方へのギフトにおいしい馬肉はいかがでしょうか。